「将来のために投資を始めたいけれど、暴落が怖い」「自分で銘柄を選ぶ自信がない」……。そんな不安から、資産形成の一歩を踏み出せない50代の方は少なくありません。
新NISAの普及で「投資信託」が一般的になりましたが、実は万が一の保障を備えながら資産運用ができる「変額保険(へんがくほけん)」という選択肢もあります。今回は、投資に不安がある方にこそ知ってほしい変額保険の仕組みと、そのメリット・デメリットを徹底解説します。
1. 変額保険とは? 投資信託との決定的な違い
変額保険とは、支払った保険料の一部を「投資信託(特別勘定)」で運用し、その運用実績によって「将来もらえる満期金や解約返戻金」が増減するタイプの保険です。
最大の特徴は、運用を行いながら「死亡保障」などの保険の保障がセットになっている点です。ここが、運用のみを目的とする新NISA(投資信託)との最も大きな違いです。
投資信託(NISAなど)
- 目的:純粋な資産形成
- 保障:なし(亡くなった時はその時の時価が戻るだけ)
- 管理:すべて自己責任
変額保険
- 目的:保障 + 資産形成
- 保障:あり(運用が悪くても最低限の死亡保険金は保証)
- 管理:保険会社にお任せ
2. 投資に不安がある人に「変額保険」が向いている3つの理由
① 死亡保障の「最低保証」がある安心感
投資信託を自分で運用している最中に万が一のことがあった場合、家族に残せるのは「その時点の時価」だけです。暴落時に亡くなってしまうと、資産は大きく目減りしています。
しかし、変額保険(終身型・有期型)の多くは、死亡保険金に最低保証があります。運用がマイナスになっても、契約時に決めた保険金は必ず遺族に支払われるため、50代でまだ家族への責任がある方には大きな安心材料となります。
② 強制的な「長期・積立・分散」が実現できる
投資で失敗する最大の原因は「暴落に耐えられず途中で売ってしまうこと」です。変額保険は保険料として毎月銀行口座から引き落とされるため、意識せずとも積立投資が継続されます。
また、多くの変額保険は世界中の株や債券に分散投資するポートフォリオをプロが組んでいるため、自分で複雑な勉強をする必要がありません。
③ 生命保険料控除が使える
変額保険は「生命保険」の一種であるため、所得税や住民税の「生命保険料控除」の対象となります。運用収益とは別に、毎年の節税メリットを確実に受けられる点は、投資効率を底上げする要因になります。
3. 変額保険のメリット・デメリット一覧表
検討する際に必ずチェックすべきポイントを比較表にまとめました。
| 項目 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 保障面 | 運用実績に関わらず、死亡保険金が最低保証される。 | 早期解約すると、支払った保険料を大きく下回る。 |
| 収益性 | 運用が好調なら、満期金が大幅に増える可能性がある。 | 運用実績が悪いと、満期金が元本を下回る(元本割れ)。 |
| 税制面 | 生命保険料控除で毎年の所得税・住民税が安くなる。 | 保険関係費(手数料)がかかるため、NISAより運用効率は落ちる。 |
| 心理面 | プロに運用を任せられ、保障があるため精神的に楽。 | 中身がブラックボックスに感じ、仕組みが複雑で分かりにくい。 |
4. 注意すべき「コスト(手数料)」の正体
「保険の手数料が嫌だ」と感じる方にとって、変額保険の最大の懸念点はコストでしょう。変額保険には、投資信託にかかる「信託報酬」のほかに、以下の保険特有のコストが含まれています。
- 保険契約の維持費: 保険を維持するための事務費用。
- 死亡保障の費用: 万が一の時の保険金に充てるための「掛け捨て」部分の費用。
- 解約控除: 契約後10年以内に解約した場合にかかる手数料。
これらは運用成績を押し下げる要因になりますが、「死亡保障(団信の代わりや相続対策)を買っているコスト」と考えれば、一概に悪とは言えません。
5. 50代・不動産オーナー視点での変額保険の活用法
不動産投資をされている方であれば、変額保険を「第2の団信」兼「納税資金準備」として使う戦略が有効です。
団信はローンを完済すれば消えてしまいますが、終身型の変額保険であれば、一生涯の保障を確保しつつ、将来的にキャッシュが必要になった時に「契約者貸付(保険金から解約返戻金の範囲内で借り入れ)」や「一部解約」で現金化することも可能です。
まとめ:変額保険を選ぶべき人、選ばないべき人
変額保険がおすすめな人
- 投資はしたいが、万が一の時に家族を困らせたくない。
- 自分で細かく資産配分(リバランス)をするのが面倒。
- 所得税の控除枠を使い切りたい。
- 相続税対策として「500万円×人数」の非課税枠を、運用しながら作りたい。
変額保険をおすすめしない人
- 1円でも手数料を安くして、運用の最大化を目指したい。
- すでに十分な死亡保障(団信や十分な預貯金)がある。
- 10年以内に解約する可能性がある。
投資への不安を解消する手段は、NISAだけではありません。保障があるからこそリスクを取れる、という考え方もあります。まずは、ご自身が「いくらの保障」と「いくらの資産」を数年後に手にしていたいかを整理することから始めてみましょう。
次の一歩:
現在加入している掛け捨て保険を変額保険に切り替えた場合、どれくらいコストが変わるかシミュレーションしてみませんか?生命保険に強いファイナンシャルプランナーを無料でご紹介! ![]()

