新NISAは全世界株一本でいいの?「分散不足」と言われる理由と年代別の推奨ポートフォリオ

不動産投資

「全世界株(オルカン)だけで十分」は本当か?投資信託の落とし穴と年代別ベスト・ポートフォリオ

新NISAの普及に伴い、「とりあえず全世界株式(通称:オルカン)を買っておけばOK」という風潮が強まっています。確かに、全世界株はコスト・分散効率ともに非常に優れた選択肢です。しかし、専門家の視点から見ると、「すべての人にとって全世界株だけで十分」とは限りません。

本記事では、なぜ全世界株だけでは不十分だと言われるのか、その理由を徹底解説。さらに、20代から60代まで、ライフステージに合わせた最適な分散投資案を具体的な構成比率とともにご紹介します。


この記事のポイント

  • 全世界株(投資信託)に潜む3つの「分散不足」
  • なぜ年齢によってポートフォリオを変える必要があるのか
  • 【年代別】具体的な資産配分(アセットアロケーション)例
  • 2026年以降の投資環境で意識すべき「プラスアルファ」の資産

1. 全世界株(投資信託)だけで不十分と言われる3つの理由

全世界株一本の投資は、いわば「世界経済の平均点」を取る手法です。しかし、以下の3つの視点が欠落していることに注意が必要です。

① 資産クラス(アセットクラス)の分散ができていない

全世界株式は、どれだけ国を分散しても「100%株式」です。株式は好景気には強いですが、〇〇ショックのような暴落時には、全世界株であっても30%〜50%程度の価格下落が起こり得ます。
もし、あなたが資産の全額をオルカンに入れている場合、1,000万円が500万円になる恐怖に耐えられるでしょうか?この「下落のクッション」となる債券や現金が含まれていないことが、最大のリスクです。

② 通貨の分散が「米ドル」に偏っている

全世界株(MSCI ACWI基準)の内訳(下イメージ)を見ると、実は約60%以上が米国株(米ドル建て)です。
「全世界に分散しているつもり」でも、実態は米国の景気や米ドルの為替変動に大きく依存しています。将来、急激な円高が進んだ場合、世界経済が成長していても、日本円ベースでの資産価値が大きく目減りするリスクがあります。

③ 自分のライフスタイル・リスク許容度が無視されている

投資の正解は、市場の平均点ではなく「あなたの人生のゴール」から逆算されるべきです。
20代の若者と、5年後に退職を控えた60代では、取れるリスクが全く異なります。すべての人に「オルカン100%」を勧めるのは、すべての病人に同じ薬を出すようなものです。


2. 【決定版】年代別おすすめ分散投資ポートフォリオ

年代に合わせて、「株式(攻め)」「債券(守り)」「実物資産(インフレ対策)」の比率を調整することが重要です。

年代 投資の目的 推奨ポートフォリオ構成 リスク許容度
20〜30代 資産の最大化 株式: 90%
現金: 10%
高い(攻め)
40代 成長と安定のバランス 株式: 70%
債券: 20%
現金: 10%
中程度
50代 守りの準備 株式: 50%
債券: 30%
金(ゴールド): 10%
現金: 10%
低い(慎重)
60代〜 資産の維持・取り崩し 株式: 30%
債券: 40%
現金: 30%
極めて低い

20代〜30代:複利の力を最大化する「フルインベストメント」

この年代の最大の武器は「時間」です。暴落が起きても、その後10年、20年かけて回復を待つことができるため、リスクを恐れずに全世界株式をコア(主軸)に据えるべきです。

  • 推奨アクション: 新NISAのつみたて投資枠をオルカンで埋める。
  • 余力があれば: 成長投資枠で「インド株」や「米国テック株(NASDAQ100など)」を10〜20%加えると、平均以上のリターンが期待できます。

40代:ライフイベントに備えた「クッション」の導入

子供の教育費や住宅ローンの支払いがピークに達する時期です。資産が大きく目減りすると生活設計に狂いが出るため、少しずつ債券(投資信託の先進国債券ファンドなど)を組み入れ、値動きをマイルドにします。

50代:インフレ対策とリスク回避の「黄金比」

定年退職が現実味を帯びてくる50代では、資産を守ることが優先されます。全世界株(株式)の比率を下げ、代わりに「金(ゴールド)」を検討しましょう。金はインフレに強く、株が下がるときに上がる性質があるため、ポートフォリオの安定感を格段に高めます。

60代以降:暴落に負けない「キャッシュイズキング」

この年代で最も避けるべきは「暴落時に生活費のために資産を安値で売却すること」です。
そのため、向こう5年〜10年で使う予定の現金は、投資に回さず安全に確保しておきます。運用部分は、安定した分配金が出る高配当株や、格付けの高い債券ファンドを中心に構成します。


3. まとめ:全世界株にプラスして持ちたい資産

「全世界株だけで不十分」と感じるなら、以下の資産を自分の判断でトッピングしてみましょう。

  1. 国内高配当株: 日本円でのキャッシュフロー(配当)が得られ、為替リスクがない。
  2. 金(ゴールド): 「無国籍通貨」として、世界情勢不安や円安に対する最強の守りになる。
  3. 個人向け国債(変動10年): 銀行預金よりもわずかに利回りが良く、元本割れのリスクが極めて低い。

執筆者のアドバイス:
投資に「正解」はありませんが、自分の年齢と資産状況を見つめ直し、「もし明日、世界中の株が30%下がっても笑っていられるか?」を自問自答してみてください。NOであれば、それがあなたの分散投資をアップデートするタイミングです。

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