はじめに:なぜ今「コモディティ投資」が注目されているのか?
最近、ニュースやSNSで「物価高(インフレ)」という言葉を耳にしない日はありません。100円ショップの商品が150円になったり、お菓子の内容量がこっそり減っていたり……。こうした「お金の価値が下がる状況」において、投資家の間で急速に注目を集めているのが「コモディティ(商品)投資」です。
「投資といえば株や新NISAじゃないの?」と思うかもしれません。しかし、株や債券だけで資産を守り切るのが難しい時代、コモディティはあなたのポートフォリオを守る「最強のお守り」になります。この記事では、初心者の方でも失敗しないコモディティ投資の基礎知識から具体的な始め方まで、どこよりも分かりやすく解説します。
1. コモディティ投資とは?「お金」を「モノ」に変える安心感
「コモディティ(Commodity)」を日本語に直訳すると「商品」です。投資の世界では、私たちが生活する上で欠かせない「エネルギー」「貴金属」「農産物」といった実物資産を指します。
「モノ」そのものに価値がある
株や債券は、極端な話をすれば「紙切れ(データ)」です。発行している会社が倒産すれば、その価値はゼロになるリスクがあります。しかし、コモディティ投資の対象となるのは、金や原油といった実物です。
「金(ゴールド)」はそれ自体が美しく希少ですし、「原油」がなければ車は動きません。このように、「それ自体に利用価値があるモノ」に投資するのがコモディティ投資の最大の特徴です。
インフレ対策に最強と言われる理由
インフレとは「物価が上がり、お金の価値が下がること」です。例えば、かつて100円で買えたリンゴが、インフレで200円になったとしましょう。このとき、100円玉という「お金」の価値は半分になりましたが、リンゴという「モノ」の価値は維持、あるいは相対的に上昇しています。
つまり、資産の一部を「モノ(コモディティ)」で持っておくことは、お金の価値が目減りするリスクへの最大の防衛策になるのです。
2. 投資対象となるコモディティの「3大ジャンル」
コモディティには多くの種類がありますが、初心者がまず押さえておくべきなのは以下の3つのグループです。
| グループ名 | 代表的な銘柄 | 特徴・役割 |
|---|---|---|
| 貴金属 | 金(ゴールド)、銀、プラチナ | 「有事の金」と呼ばれる安全資産。戦争や経済不安の時に買われる。 |
| エネルギー | 原油、天然ガス、ガソリン | 景気に敏感。世界経済が活発になると需要が増えて価格が上がる。 |
| 農産物 | トウモロコシ、大豆、小麦、コーヒー | 天候や異常気象に左右される。食料なので需要がゼロにならない。 |
① 貴金属:資産のシェルター
特に「金(ゴールド)」は、数千年前から価値が変わらない不思議な資産です。国が破綻しても価値がなくならないため、「無国籍通貨」とも呼ばれます。初心者の方が最初にコモディティ投資を検討するなら、まずは「金」が候補に挙がるでしょう。
② エネルギー:経済の血液
原油は、輸送、発電、プラスチック製造など、あらゆる経済活動の根幹です。中東情勢の悪化などで供給が止まると価格が跳ね上がり、私たちの生活に直撃します。投資としては価格変動が激しいため、少し中級者向けですが、リターンも期待できます。
③ 農産物:身近なリスク要因
「朝のコーヒーが高くなった」「パンの値段が上がった」といったニュースは、コモディティ価格の影響です。異常気象が増えている昨今、農産物の価格変動は投資チャンスにもなりますが、同時にリスクも高い分野です。
3. コモディティ投資のメリット・デメリット
どんな投資にも良い面と悪い面があります。しっかりと理解して、納得した上で始めましょう。
メリット:分散投資の効果がバツグン
- 株式との逆相関: 一般的に株価が下がるとき、コモディティ価格は上がることが多いです。資産を株だけでなくコモディティにも分けておくことで、大きな損失を防げます。
- インフレ耐性: 先述の通り、物価上昇局面で強みを発揮します。
- 希少性: 金や原油は地球上に存在する量が決まっています。お金のように中央銀行が印刷して増やすことができないため、長期的な価値が保たれやすいです。
デメリット:インカムゲインがない
- 利息や配当がつかない: 株の配当金や銀行の利息のような「持っているだけで増えるお金」はありません。利益は「安く買って高く売る」差額のみです。
- ボラティリティ(価格変動)の大きさ: 政治情勢や天候ひとつで価格が急変することがあります。
- 管理コスト: 現物の金などを自分で保管する場合、盗難のリスクや貸金庫代がかかります。(※投資信託ならこの心配はありません)
4. 初心者におすすめの投資手法は?(新NISA活用術)
「金塊を家の床下に隠す」必要はありません。今の時代、スマートフォン一つで手軽にコモディティ投資が始められます。
① 投資信託(ファンド)で買う ★一番おすすめ
投資信託は、プロが複数のコモディティを組み合わせて運用してくれるセット商品です。
メリット: 100円から購入可能。新NISAの「成長投資枠」が使える。
代表銘柄: eMAXIS プラス コモディティインデックスなど。


② ETF(上場投資信託)で買う
証券取引所に上場しているため、株と同じようにリアルタイムで売買できます。
メリット: 手数料(信託報酬)が投資信託より安い傾向がある。
代表銘柄: 純金上場信託(1328)、WTI原油価格連動型上場投信(1671)など。

③ 純金積立
毎月一定額(例:3,000円)で金を購入していく方法です。
メリット: 「ドルコスト平均法」で、高い時は少なく、安い時は多く買うため、長期的に安定した購入単価になります。
5. ポートフォリオへの理想的な組み入れ比率
「コモディティがインフレに強いなら、全額コモディティにしよう!」と考えるのは危険です。コモディティはあくまで資産を守るための「スパイス」です。
【理想の資産配分例】
- 株式・投資信託: 70〜80%(メインの増やす資産)
- 現金・債券: 10〜20%(生活防衛費・守る資産)
- コモディティ: 5〜10%(インフレ対策・お守り)
この「5〜10%」という少額が、万が一の暴落や急激な物価高のときに、あなたの資産全体を支える大きなクッションになります。
まとめ:今日から始める「実物資産」の備え
コモディティ投資は、決して難しいものではありません。私たちが日々食べて、使い、消費している「モノ」に投資する、最もシンプルで直感的な投資とも言えます。
【本記事のポイント】
- コモディティは「インフレに強い実物資産」。
- 金、原油、農産物が3大ジャンル。
- 新NISAの成長投資枠を使って投資信託で始めるのが初心者向け。
- 資産の5〜10%程度を「お守り」として持つ。
投資の基本は「卵を一つのカゴに盛らないこと」です。株や現金だけでなく、コモディティという選択肢を加えることで、あなたの未来の資産はより強固なものになるでしょう。まずは証券口座で「コモディティ」と検索して、100円からの積立設定を検討してみてはいかがでしょうか?

