【徹底解説】貴金属ETFで分散投資!金・銀・プラチナ・パラジウムの違いと選び方
株式市場のボラティリティ(変動)が高まる中、資産を守りながら増やす「分散投資」の重要性が増しています。その中でも、特に注目されているのが貴金属ETFです。
「金(ゴールド)は知っているけれど、他の金属はどうなの?」「どうやって選べばいいの?」という疑問を持つ方に向けて、本記事では貴金属ETFの種類、メリット・デメリット、そして具体的な銘柄選びまで徹底的に深掘りします。
- 貴金属ETF(金・銀・プラチナ・パラジウム)のそれぞれの特徴
- なぜ現物ではなく「ETF」で投資すべきなのか
- 新NISAでも活用できる具体的なおすすめ銘柄
- 貴金属投資におけるポートフォリオの組み方
1. 貴金属ETFとは?現物投資との違い
貴金属ETF(Exchange Traded Fund)とは、金や銀などの価格に連動するように設計された上場信託です。証券口座を通じて、株式と同じように1株単位でリアルタイム売買ができるのが特徴です。
現物保有 vs ETF 比較表
| 比較項目 | 現物(地金・コイン) | 貴金属ETF |
|---|---|---|
| 保管コスト | かかる(金庫、保管手数料など) | 無料(信託報酬に内包) |
| 売買の手軽さ | 店舗へ行く必要がある | スマホ・PCで数秒 |
| スプレッド(手数料) | 比較的大きい | 極めて小さい |
| 税制メリット | 譲渡所得(控除あり) | 申告分離課税(NISA活用可) |
2. 金(ゴールド)以外の選択肢:銀・プラチナ・パラジウムの魅力
貴金属投資といえば金が真っ先に浮かびますが、分散投資の観点からは他の金属も非常に魅力的です。それぞれの産業的な役割と価格動向を知ることで、より戦略的な投資が可能になります。
① 銀(シルバー):ハイボラティリティ(値動きが激しい」)な「工業用メタル」
銀は金と並んで通貨に近い性質を持ちますが、最大の特徴は需要の約50%以上が工業用である点です。
- メリット: 太陽光パネルやEV、5Gなどのハイテク産業に不可欠なため、景気拡大局面で買われやすい。
- リスク: 市場規模が金に比べて小さいため、価格の乱高下が激しい。
② プラチナ(白金):希少性と脱炭素のジレンマ
かつては金よりも高価だったプラチナですが、現在は金よりも安値で推移しています。これは、主な用途であるディーゼル車の排ガス浄化装置の需要減退が懸念されているためです。
- 注目点: 水素エネルギー(燃料電池)の触媒としての新需要が期待されており、長期的な大化けを狙う投資家に好まれます。
③ パラジウム:ガソリン車需要に特化した貴金属
主にガソリン車の触媒に使われます。供給の多くがロシアに依存しているため、地政学リスクによって価格が急騰しやすい性質があります。
3. 投資対象としての比較(4大貴金属まとめ)
各金属の投資特性を一覧表にまとめました。ご自身の投資スタンスに合うものを選んでみてください。
| 金属種別 | 主な用途 | 値動きの特徴 | おすすめの人 |
|---|---|---|---|
| 金 | 宝飾・投資・外貨準備 | 安定、守りに強い | 初心者、資産防衛重視 |
| 銀 | 半導体・太陽光パネル | 変動が大きく強気相場に強い | 高い収益を狙いたい人 |
| プラチナ | 自動車触媒・水素産業 | 歴史的に見て割安圏 | 長期的な逆張り投資家 |
| パラジウム | ガソリン車触媒 | 需給ギャップによる急騰 | 上級者・短期トレード |
4. 賢い貴金属ETFの選び方:3つの重要ポイント
銘柄を選ぶ際には、単に「金だからどれでもいい」ではなく、以下の3点を必ずチェックしましょう。
① 現物裏付けの有無
ETFには「現物拠出型(実際に保管している)」と「先物運用型(指数連動のみ)」があります。長期投資であれば、カウンターパーティ・リスクの低い現物拠出型を強くおすすめします。
(カウンターパーティ・リスク:取引相手が倒産や債務不履行に陥ることで、契約通りに取引が履行されず、損失を被るリスクのことです)
② 信託報酬(保有コスト)
金ETFは配当を生みません。そのため、コストは純粋なマイナスとなります。国内ETFよりも米国ETFの方が信託報酬が低い傾向にあります。
③ 流動性と時価総額
時価総額が小さすぎるETFは、売りたい時に売れない「流動性リスク」があります。なるべく大手運用会社(BlackRockやState Streetなど)の銘柄を選びましょう。
5. 具体的な注目銘柄リスト
国内東証上場ETF(日本円で買える)
- 純金上場信託(1540): 三菱UFJ信託銀行が運営。現物交換が可能なため信頼性が極めて高い。

- 純銀上場信託(1542): 国内で銀に投資する際のスタンダード。

- NEXT FUNDS 金価格連動型上場投信(1328): 非常に流動性が高い。

米国上場ETF(低コスト・ドル建て)
- GLDM(SPDR ゴールド・ミニ・シェアーズ): 経費率が0.10%と格安。長期保有に最適。

- SLV(iShares シルバー・トラスト): 世界最大の銀ETF。

- PPLT(abrdn フィジカル・プラチナ): プラチナ現物に裏付けられた代表的な銘柄。

まとめ:ポートフォリオの5〜10%を貴金属へ
貴金属投資は、それだけで資産を爆発的に増やすものではありません。しかし、インフレや通貨安、地政学リスクといった「株式が苦手とする場面」で、あなたの資産を守る最強の盾となります。
まずは資産全体の5〜10%を目安に、王道の「金」や、これからの産業需要が期待される「銀・プラチナ」をETFで取り入れてみてはいかがでしょうか。
